2007年の十枚

遅れに遅れた2007年マイベストです。
聴くジャンルが増々せばまり、偏屈になってきた。昔は雑食だったのになー。むさぼるように聴いていたのになー。面白くないと思ってもいつかは面白くなるかも、と思いがまんして聴いていた。実際、ある日突然その音楽の良さがわかる瞬間があった。さすがにそういう経験は少なくなった。がまんもしなくなった。
ただ新鮮な、とんがった音楽は今も追い求めている。
1 ヤエル・ナイム「ヤエル・ナイム」
YAEL NAIM [ YAEL NAIM ] `08
MACのCMで有名になったヤエル・ナイムだが、あのキャッチーな曲以外は結構暗い。暗いがPOPでキュートなので楽しんで聴ける。楽しいのだがやはり切ない曲が多いので胸がキュンとなる。名盤です。
2 ホセ・ゴンザレス「イン・アワ・ネイチャー」
JOSE GONZALEZ[ IN OUR NATURE ] `07
スェーデンのフリーフォークとか次世代フォークティカとか周りは形容しているようがだ、本人はいたってやりたいようにやってるだけのようだ。印象的なアコギの音色にバート・ヤンシュのような朴訥とした声がかぶさり、そこにかすかに有機的なSEがただよう。
草原で澄んだ空気を思いっきり吸ったような音楽。
3 アイアン&ワイン「アワ・エンドレス・ナンバード・デイズ」
IRON & WINE [ Our Endless Numbered Days ] `07
最新作「羊飼いの犬」もいいアルバムだが、ジャケットがいいのでこちらの方が愛着がある(アルバムジャケットって大事。iPodなどで数曲ダウンロードするだけの輩には判るまい)ジャケットが物語るように、静かなアコギのスリーフィンガーの向こうに田舎のアメリカの原風景が見える。
4 ロドリゴ・イ・ガブリエラ「激情ギターラ!」
RODRIGO Y GABRIELA [ Rodrigo y Gabriela ] `07
これは凄いぞ。ちょっとたまげた。アコギだけのインスト男女デュオ。驚異的なテクニックでギターをガチャガチャかき鳴らす。ジプシーキング真っ青、カーキ・キングも真っ青。
とにかくアコギだけでこれだけパンキッシュなアルバムは始めてじゃないかな。
メキシコ(周辺)はカフェ・タクーバやらマーズ・ヴォルタやら一筋縄ではいかないバンド多いなー。
5 モノ・フォンタナ「クリバス」
MONO FONTANA [ Cribas ] `07
アルゼンチン音響派の最重要人物。今回はぐっとシンプルに、限りなくピアノソロに近い。
ただやはり背後に不思議なSEと散りばめている。有機的、無機的なサンプリングがほどよくブレンドされてて、そこに生のピアノが淡々と乗っかる。
上質な一遍の映画を観終えたような心地よさが残る。
6 エミリー・シモン「エミリー・シモン」
EMILIE SIMON [ emilie simon ] `05
蟲が這いつくばる(CGだが)何とも気色悪いジャケット。でもヨーロッパのショウウィンドゥではカエルやらバッタやらセミ等がうじゃうじゃしてるディスプレーは結構見かける。やっぱ美意識が違うのでしょう。
中身の音は、と言えば実にチャーミングでPOP。でも変てこでアンビで過激な音。
フランスの椎名林檎、と言ったところか。

7 メイシー・グレイ「ビッグ」
MACY GRAY[ Big ] `07
クリセット・ミッシェルやジョイ・ディラニーなどのフェレッシュなR&B女性シンガーも魅力的だったが、やはり印象的だったのはこの人。
なんせ声の存在感が圧倒的に飛び抜けている。ハスキーで絞り出す唄い方は昔のサザンソウルの歌い手に似てる。前回までのロック調の音が少し減ってよりクラシックソウルの趣が増した。

8 ホベルタ・サー「なんて奇妙で 素敵な一日」
ROBERTA SA [ Que Belo E Estranha Dia Pra Se Ter Alegria ] `07
こういう良質なサンバを聴いていると落ち着くなー。声が(マイザ・モンチやガル・コスタほど個性はないが)とっても澄んでいて聴いてて心地いい。音も伝統をふまえながらちゃんと先鋭的。
さすがブラジル。世界中で一番新しいポップスを作っている。

9 ミッチェル・フルーム「ア・サウザンド・デイズ」
MITCHELL FROOM [ A Thousand Days ] `05
まさかミッチェル・フルームがこんなピアノ・ソロアルバムを出すとは思わなかった。前回の「ドーパミン」も映画音楽みたいで大好きだったけどね。これもなかなかいい。
最近ゴンザレスのピアノソロとかもよく聴くもんだから、今ちょっとしたピアノソロマイブーム。ヴァン・ダイク・パークスのピアノ弾き語りなんての出ないかなー。

10 シベーリ「デンキ仕掛ケノ枯葉」
CIBELLE [ The Shine of Dried Electric Leaves ] `06
シルベリオ・ペッソアの「 エレクトリックな頭脳・アコースティックな心」とどちらをピックアップするか迷ったが、こちらの方がチャーミングなもので。           ブラジルのアコースティツクな音をコラージュしていくというテーマは両方とも似ている。
ただ彼女の方は英語の曲が多くデヴェンドラ・バンハート等とも共演していて、本国より同時代性のある全世界に目を向けているようだ。

 
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